障害者 & 難病患者 tomoのブログ【ともに きなりに】

難病 ギラン・バレー症候群を患い、障害者になったtomoが『障害は「障害」じゃない。ありのままの自分で、思いのままに生きよう。』をコンセプトに日々を綴るブログです。自身の大病経験と、元企業人事→→現在社会保険労務士を目指している経験から、「ある日突然、大病を患った方およびそのご家族」のお役に立つ情報等も書いていきたいと思います。

ギラン・バレー症候群とは?呼吸筋麻痺に至るまでの一つの症例紹介。経過の概要の記録。(tomoの場合)

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こんにちは。障害者で社労士タマゴの、tomoです。
 
ブログ開設以来、自己紹介偏愛マップについて書いた後は、tomoが難病ギラン・バレー症候群にかかった時に必要だった情報や、(当時は知らなかったけれど)できれば知っておきたかった情報などをコツコツ書いてきました。
 
 
ひとまず、傷病手当金や高額療養費などの健康保険系、基本手当(失業保険)や教育訓練給付金などの雇用保険系については書けたので、後半は障害認定・障害者手帳申請や、障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)について書いていく予定です。
 
ですが、ちょっとこの辺で一息ついて、もう少しtomo自身のことや、tomoが考えていることなどを書いてみたいと思います。
 
何から書こうかな…。
そうだなぁ。まずはどんな経過で10万人に1人の割合でかかるという難病を発症したのか…について、もう少し書いてみることにしようかなぁ…。
 
ギラン・バレー症候群という病気は、病気にかかるまでtomoは聞いたことがない病気でした。「ギラン・バレー症候群 患者の会」のWebページの言葉を引用すると…
 
ギラン・バレー症候群は、世界中のあらゆる地域で、赤ん坊からお年寄りまで誰でも罹り得る病気です。他の人に感染ることはなく、遺伝もしません。例えば、肺炎と同じように、軽ければすぐに治り、重症になれば死に至る場合もあります。
 
例えば、食あたりやインフルエンザなどの後、免疫システムに不具合が生じて、1〜3週間後に、両手足に力が入らなくなり、急速に麻痺が全身に広がり、重症になると人工呼吸器が必要になったり、死に至ることもある自己免疫疾患です。
 
実際に罹る人は少なく(毎年10万人に1〜2人の割合)、まだ良く知られていない病気なので、患者や家族は、突然麻痺に襲われて、しばしば恐怖や不安に駆られ孤独に苛まれます。さらに、傷んだ神経や筋肉の回復に、重症になると何年もの努力を要し、後遺症がずっと残る場合もあります。
 
となっています。ギランバレーは、その症状によって重症度のグレードがあるのですが、それでいうとtomoは死亡の一歩手前、グレード5まで麻痺が進行しました。(より詳しい説明は、こちらのサイト↓↓を参考にご覧くださいね)

ギランバレー症候群とは?検査による早期発見が重要!症状・治療法・リハビリの基礎知識|welq [ウェルク] 

 《ギランバレー症候群の重症度》
グレード0 : 正常
グレード1 : 軽微な神経症候を認める
グレード2 : 歩行器、またはそれに相当する支持なしで5mの歩行が可能
グレード3 : 歩行器、または支持があれば5mの歩行が可能
グレード4 : ベッド上あるいは車いす限定(支持があっても5mの歩行が不可能)
グレード5 : 補助換気を要する
グレード6 : 死亡
グレード5とは、つまり全身麻痺が呼吸をする筋肉まで及んでしまい、自力で呼吸することができなくなること=人工呼吸器(補助換気)を必要とする状態です。
 
この難病が発生するメカニズムは、まだ原因不明でよくわかっていないのですが、どうやらインフルエンザや風邪等の感染症が発端となっているようだと考えられています。感染症を引き起こしたウイルス等を退治しようとして、リンパ球や抗体が働くまではいいのですが、攻撃対象を間違えて、自分自身の末梢神経細胞を攻撃してしまうために、運動や感覚を司る末梢神経に異常が生じて麻痺がおこり、動かすことができなくなります。
 
tomoの場合、こんな経過を辿り、ギランバレー症候群発症に至りました。
 ■ 2015年12月26日:風邪にかかる。年末の仕事の追い込みやら、師走のいろんなイベント続きで体力の限界を超えて頑張りすぎたのかも…。精神力だけではどうにもならない年齢になったのかも…。とりあえず近くの病院に行って薬をもらって寝込む。
 
■ 次の週になっても、良くならない。仕事納めの出勤も出来ぬまま、年末を寝たまま迎える。
 
■ 2016年 年明け:熱は下がってきたみたい。でもなんだか変な咳がして、ゲホゴホする。
 
■ 2016年1月:とにかく休んでばかりもいられないので、正月明けの仕事始めの出勤をする。相変わらず変な咳が止まらない。
 
■ 2016年1月8日:朝から高い熱が出る。普通の風邪ではない感じ。インフルエンザかなぁ??両手の指がピリピリする。前にもインフルエンザにかかったことあるけど、その時の節々の痛みとは全く違う感じ。まぁ、でも、今日と明日行ったら有休消化に入るし、何せ明日は最終出勤日だし、まだ退職前の引継ぎやら、挨拶回りやら終わってないし、ここはなんとか乗り切ろう…(実はtomoは2月半ばからの転職が決まっていて、正月休み明け最初の1週間が最終出勤週だったんです。それで年末も無理して働いてしまっていました…)
 
→ その日の午後には、いつも仕事中に持ち歩いているノートパソコンが手から滑り落ちるくらい手に力が入らなくなってくる。ちょっとこれはただの風邪でも、インフルエンザでもないと感じ始める。
 
→ 帰宅時には、完全にノートPCを持てなくなる。同じ会社に勤める旦那のKeiくんに事情を話し、荷物を持ってもらって一緒に帰宅。そのまま夜間診療をしている病院に駆け込む。インフルエンザA型と診断を受ける。タミフルを貰って、飲んで寝る。相変わらず変な咳は続いている。
 
→ 夜中、トイレに起きたら、立てなくなっていた。足に力が入らなくて、よろけて転倒してベット脇のサイドボードに頭をぶつける。「ナニ、これ…!!??」とにかくトイレまで物につかまりながら壁伝いに辿り着くが、手がおかしくて、パジャマのズボンを下ろせない。トイレをした後も、拭けない。「私の手、どうしちゃったの…!!??てか、足も。怖い…」
 
■ 2016年1月9日:前夜は高熱もあって気持ちが悪かったので、トイレの後はとにかく布団に横になって寝るも、翌日起きた際にはさらに手足が動かない感じが進行。枕脇のスマホも持てない状態。完全に、これはただのインフルエンザではないことがtomoにも、Keiくんにも明確になる。もちろん会社に行くどころではないので、最終出勤日にもかかわらず、お休みをする。とにかく立てず、食欲もないので、寝て様子見をする。
 
■ 2016年1月10日:状況さらに悪化。とうとうKeiくんの支えでも立つことさえできなくなり、救急車を呼ぶ。
 
→ その後、担ぎ込まれた病院では診断がつかず(なんの病気か判断ができず)、結局1日で3回救急車で搬送を繰り返し、3ヶ所目に運ばれた病院で、ようやくギラン・バレー症候群との診断名がつく。そのまま緊急入院。
 
■ 2016年1月11日:朝から呼吸が苦しく、酸素量を増やしても息苦しさが止まらない。肩で息をする、いわゆる下顎呼吸(かがくこきゅう)の状態になる。下顎呼吸とは、呼吸のたびに全身のエネルギーを振り絞って喘ぐように息をする、見るからに瀕死の状態の呼吸のこと。苦しさのピークで、意識が途絶える。
…そうして、目が覚めたらtomoは全身管に繋がれて、集中治療室で目が覚めたのです。
 
結論から言うと、tomoはインフルエンザと肺炎を併発していて(あの変な咳は、やっぱりただの咳ではなかったんですね。肺炎の咳でした…)、自己免疫が末梢神経を傷つけて、ギランバレー症候群を発病したのでした。 
 
結局その後、約2ヶ月もの間、集中治療室で過ごし、ピーク時は合計7本の管が体に刺さっていました(苦笑)まぁ、よくも生きていたなぁ…という感じです。
 
その後の壮絶な闘病とリハビリの日々は、また改めて別の記事に書くとして…。
 
本当に生きていたことが奇跡ですし、だからこそこうして生き返ったからには、何かこの世でやらなければいけないことがあるんだろうなぁ…と、全身麻痺でベットに横になりながらずっと考えていました。
 
ギラン・バレー症候群は、末梢の運動神経に障害をきたす病気なので、脳的には全く清明な状態(意識がはっきりした状態)です。
 
でも逆に…
意識はいたって正常なのに、手も足もピクリとも動かすことができない。呼吸すら自力でできない。口も人工呼吸に繋がっているので言葉も、「うー」とか「あー」とかいう音声すら発することができないという状態は、言葉では表せないくらい壮絶な状態でした。
 
何もできず、ただひたすら考えることした出来ない日々というのは、それはそれで地獄です。
でもあの頃は、必死に「これは神様がくれたお休みに違いない。あれだけ馬車馬のように脇目も振らずに働いていたから、神様が休めって言ってくれているに違いない」と思おうとしていたことを覚えています。
 
今となっては、本当にギラン・バレー症候群を発病したことは「ギフト」以外のナニモノでもなかったと心の底から思えますが。その境地に至るまでには、少しの時間を要したように思います。
 
 
…ということで。本日の記事もだいぶ長くなったので、今日はここまでにしますね。
また改めて、闘病とリハビリの日々や、tomoが入院中・退院後何を考えたのか…についてポツポツと書かせて頂きます。tomoとこの病気について興味をお持ち頂けたら、よかったら読者登録などして頂き、またtomoブログ「ともに きなりに」を覗きに来て頂けたら、とっても嬉しいです。
 
 
「突然大病を患ったら…」シリーズについて読まれる方は、こちらのリンク↓↓をご覧下さい。
  
 
では、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
またブログでお会いできることを楽しみにしています♪
 
tomo
 
 
 
 
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