障害者 & 難病患者 tomoのブログ【ともに きなりに】

難病 ギラン・バレー症候群を患い、障害者になったtomoが『障害は「障害」じゃない。ありのままの自分で、思いのままに生きよう。』をコンセプトに日々を綴るブログです。自身の大病経験と、元企業人事→→現在社会保険労務士を目指している経験から、「ある日突然、大病を患った方およびそのご家族」のお役に立つ情報等も書いていきたいと思います。

障害年金、いったいどれくらい受け取れるのか?障害基礎年金と障害厚生年金の金額の違いとは?加算・加給額って何??(突然大病を患ったら… その15)

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こんにちは。障害者で社労士タマゴの、tomoです。
 
今日は「障害年金を受け取れることになった場合、一体いくら受け取れるのか」について説明をしていきたいと思います。障害年金についてのシリーズ記事、本日は2日目になります。では、はりきってまいりましょう!
 
  2) 障害年金の金額 今日はココ
  3) 障害年金請求が可能になる時期
  4) 障害年金請求に必要な条件
  5) 申請から受給まで
 
 
2) 障害年金の金額
昨日の記事で、障害年金には2種類あることをお話ししました。
障害基礎年金と障害厚生年金の2つです。順番にそれぞれ見ていってみましょう。
 
なお、以降の説明で「障害等級」という表現が出てきますが、これは障害年金の支給額を決定するための等級です。障害者手帳に記載されている等級とは別物です。
 
障害年金障害者手帳は、申請窓口も審査機関も異なる別の制度です。
しかしどちらも1級・2級…という呼び方をするため、「障害者手帳の等級=障害年金の等級」と勘違いをされている方もいらっしゃいます。tomoも、初めて知った時はそう思っていました。
 
つまり、障害者手帳の等級が1級だからといって、障害年金の1級が裁定されるとも限りませんし、障害者手帳の等級が4級以下でも、障害年金の支給が受けられる場合もあります。
 
また当然のことながら、障害者手帳の交付を受けていなくとも、(障害年金の受給条件を満たしていれば)障害年金の申請をすることも可能です。
 
参考に、日本年金機構のホームページにある障害認定基準のリンクを貼っておきます。
障害の部位によってかなり細かく分かれていますので、対象となる障害のPDFを開いてご確認くださいね。
 
 

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■ 障害基礎年金
年金の1階建てに相当する障害基礎年金は、国民年金をベースに支給される年金です。
障害基礎年金には、年金の等級が1級・2級の2つがあります。
このいずれかに該当する決定がなされた場合、年齢・国民年金の加入期間に関係なく、等級に応じて定額の年金が支給されます。(老齢基礎年金のように払い込んだ期間の月数により年金額を減額するような措置はありません)
 
2級と裁定された場合は、年額で 780,900円 × 改定率 が支払われます。(改定率とは、年金額を自動改定するためのもので、賃金・物価等の変動に応じて毎年改定されています)
平成27年度に実際に支払われている金額(平成28年度価額)は、780,100円となります。実際の支給は通常2ヶ月ごととなりますが、月あたりに換算すると、約65,000円ほどとなりますね。
 
ちなみに、この年金額は老齢基礎年金の満額と全く同じ額となります。
 
2級よりも等級が上(障害がより重い)と裁定された1級の場合は、2級の額の100分の125に相当する額が支払われます。つまり、2級の額の1.25倍ということになりますので、年額で 975,125円、月あたりに換算すると 約81,000円強ほどとなります。
 
なお、障害基礎年金の額は、受給権者(年金の支給を受ける人)に以下の要件に該当する子供がいる場合には、「子の加算」がなされます。
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持(※)されている、
 ✔︎ 18歳となる年度の3月31日までの間にある子、もしくは
 ✔︎ 20歳未満で障害等級1級もしくは2級に該当する障害状態にある子
※ 生計を維持とは、住民票上同一世帯に属していて、年収850万円(所得655万円5,000円)未満の人を指す。
加算される額は、第1子・第2子が一人あたり年額で 224,700円 × 改定率(平成28年度価額で224,500円)、第3子以降が一人あたり年額で 74,900円 × 改定率(平成28年度価額で74,800円)となります。
 
 
年金の2階建てに相当する障害厚生年金は、厚生年金保険をベースに支給される年金です。
2階建て部分なので、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金は支給されます。
障害厚生年金等級は、1級・2級に加えて3級があり、障害基礎年金よりも支給される対象が広くなっています。
 
…ここで、「あれ?2階建てなのに、障害厚生年金の3級になった場合の1階ってどうなるの?」と思われた方。とってもいい目の付け所です!
 
障害厚生年金は2階建て部分に相当しますので、障害厚生年金の1級・2級に該当した場合は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方をダブルで受け取れます。
しかし障害厚生年金の3級に該当した場合は、障害基礎年金には3級がないため、最低保証額として障害基礎年金額の4分の3の額が最低保障として支払われます。
これで、1階の基礎がない不安定な建物になるのを避けられますね。
 
で、肝心の障害厚生年金額ですが、こちらは定額の障害基礎年金とは異なり、報酬比例の年金額となります。
厚生年金保険は給与等の報酬額を元に積み立てる額が決定されますが、要は、前もって厚生年金保険にどれだけ積立をしていたかによって、受け取れる年金の額が異なるわけです。(老齢厚生年金の金額計算方法と同じ考え方です)
 
ただし、若い時に障害者となってしまった人は、積み立てている期間が短いためそのままで支給額が不利となります。そのため、最低限の所得保障をする観点から「300月みなし」の措置があります。これは、障害厚生年金の額を計算する際に基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない時は、300として(つまり最低でも25年間積み立てたとみなして)年金額を計算するというものです。
 
障害厚生年金の額は、比例報酬の年金額をベースとしているため計算が非常にややこしくなります。あまり細かく解説するととても込み入ってきますので、ここではシンプルに下記の原則を覚えておいていただくと良いでしょう。
 
3級: 比例報酬の年金額
2級: 比例報酬の年金額 + 配偶者加給年金額
1級: 比例報酬の年金額 × 100分の125 + 配偶者加給年金額
 
もちろん上記の年金額に、障害基礎年金の同じ級を足したものが(3級の場合は前述の通り、2級の額の4分の3が)年間受け取れる障害年金の総額となります。
 
障害厚生年金で出てくる「配偶者加給年金額」とは、障害厚生年金の受給権者によって生計を維持(※)されている、65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。
※ 生計を維持とは、住民票上同一世帯に属していて、年収850万円(所得655万円5,000円)未満の人を指す。
 
配偶者加給年金の額は、障害基礎年金の子の加算額と同じ計算で導かれる額となります。
すなわち年額で 224,700円 × 改定率(平成28年度価額で224,500円)が加算される金額となります。
 
 
…ということで、本日の記事のおさらいをします。
✔︎ 障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金のふたつがある。
✔︎ 障害年金の障害認定基準は、1級から3級まである。(障害者手帳の等級とは別物
✔︎ 障害基礎年金は1級・2級の場合のみ支払われる。要件を満たす子供がいる場合は、子の加算が行われる。
✔︎ 障害厚生年金は1級・2級・3級に支払われる。要件を満たす配偶者がいる場合は、加給年金額が加算される。
障害年金は、いろいろとルールも多く、複雑な設計になっています。
tomoの説明の中で分かりにくい部分があったり、説明不足だった場合は、遠慮なくお知らせください。(きっと、あなたと同じ疑問や要望をお持ちの方がいるはずですので…)
 
社会保険労務士を目指して鋭意勉強中のtomoにとって、ご質問やご要望にお答えすることは、すなわちtomo自身の勉強にも直結します。
 
ご遠慮なさらず、逆にtomoをヘルプするという気持ちでご遠慮なく「コメントを書く」よりコメントをお寄せください。楽しみに待っております!
 
また、傷病手当金・高額療養費・雇用保険の基本手当(失業保険)等の記事についてお知りになりたい方は、こちらのリンク↓↓をご覧下さい。

それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
またブログでお会いできることを楽しみにしています♪
 
 
tomo
 
 
 
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