障害者 & 難病患者 tomoのブログ【ともに きなりに】

難病 ギラン・バレー症候群を患い、障害者になったtomoが『障害は「障害」じゃない。ありのままの自分で、思いのままに生きよう。』をコンセプトに日々を綴るブログです。自身の大病経験と、元企業人事→→現在社会保険労務士を目指している経験から、「ある日突然、大病を患った方およびそのご家族」のお役に立つ情報等も書いていきたいと思います。

障害年金を受給する上で非常に重要な障害年金支給要件とは何か。事後重症や初めて2級、20歳前傷病など障害年金の請求方法別に解説します!(突然大病を患ったら… その17)

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こんにちは。障害者で社労士タマゴの、tomoです。
 
今日は、昨日の記事でお話した年金の請求方法とタイミング別に、請求申請に必要な要件をお話したいと思います。
 
「突然大病を患ったら…」シリーズ障害年金記事の4日目です。
 
  1) 障害年金の種類
  2) 障害年金の金額
  3) 障害年金請求が可能になる時期
  4) 障害年金請求に必要な条件 ←今日はココ
  5) 申請から受給まで
 

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4) 障害年金請求に必要な条件
まず、どんなタイミングで障害年金の請求をする場合にも重要になってくる要件が3つあります。
 
初診日要件
障害認定日要件
保険料納付要件
 
1つめの「初診日要件」は、障害年金に関する最初の記事にでてきたアレです。
障害年金の支給要件はハードルが高い…という話をしましたが、もっともハードルをあげているのがこの初診日要件といっても過言ではありません。
 
では、1つずつ解説をしていきます。
初診日要件
言葉の通り「初診日」とは、障害の原因となった傷病(疾病=病気、負傷=怪我)について、初めて医師の診療を受けた日をいいます。
この「初診日において、被保険者であること(※)」が、障害年金においては非常に重要になってきます。 国民年金に関しては、任意加入被保険者および日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の元被保険者も対象に含みます。
つまり、障害厚生年金をもらうためには、初診日に厚生年金保険の被保険者でなければなりませんし、障害基礎年金をもらうためには、初診日に国民年金の被保険者でなければならないのです。
 
言い換えると、どんなに会社員(=厚生年金保険の被保険者)として厚生年金保険の積み立てをしてきても、初診日に在職をしていなければ(=厚生年金保険の被保険者でなければ)障害厚生年金はもらえません。(逆に、初診日に被保険者であれば良いので、初診日以降に退職をしていて、後述する障害認定日に被保険者の資格を喪失していても構いません)
 
障害認定日要件
「障害認定日」とは、下記のうちどちらか早い方をさします。
 
 ■ 初診日から起算して1年6か月を経過した日
 ■ その傷病が治った日(治った日とは、治癒した日だけではなく、その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含みます。つまり足を切断した場合などは、切断した足は元に戻らないため、「治った」ことになります)
この障害認定日に、障害年金の障害等級に該当する程度の障害状態にあることが必要です。
 
保険料納付要件
保険料納付要件とは、初診日の属する月の前々日までに国民年金の被保険者期間がある場合には、初診日の前日において、次の原則か特例のいずれかの要件を満たすことが必要です。(障害厚生年金は、国民年金の障害基礎年金の2階建て部分の年金であるため、国民年金の被保険者期間で判断をします)
 
 ■ 原則初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が3分の2以上であること。
 ■ 特例: 初診日が平成38年4月1日前にある場合には、初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに、保険料の未納期間がないこと。
つまり、原則では保険料の未納期間が3分の1以下であれば、特例では直近1年に未納期間がゼロであれば良い、ということです。
 
 
3つの支給要件を見てみると、そのどれもに「初診日」が含まれることに気づかれたと思います。初診日を明確にすることは、障害年金の受給においては全ての基本ともいえる非常に重要な作業なのです。
 
では、上述の3つの支給要件を、昨日の記事で紹介した5つの障害年金請求方法に照らし合わせてみましょう。
 
 
✔ 原則的な障害年金請求
保険料納付要件を満たしていて、障害認定日に障害等級に該当する障害の状態にあれば、障害年金の受給が可能です。初診日に厚生年金保険の被保険者だった場合は、障害厚生年金(1級・2級の場合は障害基礎年金も)が、初診日に国民年金の被保険者だった場合は、障害基礎年金が支給されます。
 
✔ 事後重症による障害年金請求
保険料納付要件を満たしていても、障害認定日に障害等級に該当する障害の状態になければ、原則的な障害年金の受給はできません。しかし、中には初診日から1年半が経過した後に障害の状態が重くなる場合も充分ありえます。その場合、障害の程度が重くなり、障害等級に該当する程度の障害に増進した時に障害年金の請求することができます。
これが「事後重症」による障害年金請求と言います。
ただし事後重症で請求をする場合でも、初診日要件と保険料納付要件を満たしている必要があります。
 
✔ 基準障害による障害年金請求
障害等級に該当しない程度の軽い障害の状態にある人が、別の傷病(病気や怪我)にかかり、従前の障害とは別の後発障害が発生することがあります。
この場合に、複数の障害を併合して「初めて」障害等級に該当する障害の状態になる時は、その併合した障害の程度による障害年金が支給されます。
 
この障害年金の支給方法は、一般的に「初めて2級」とも呼ばれています。
なお後発の障害を「基準障害」基準障害の元となった傷病を「基準傷病」と呼びます。
 
この初めて2級の障害年金請求においては、基準傷病において初診日要件と保険料納付要件を満たしている必要があります。(基準傷病以外の傷病は複数あっても構いません。また、基準傷病以外の傷病については、初診日要件や保険料納付要件も一切問われません)
 
✔ 20歳前の傷病による障害年金請求
20歳前の傷病による障害年金請求には、 原則的な障害年金事後重症による障害年金の二通りがあります。20歳前の国民年金に加入する前の若年者を対象としているため、原則的な障害年金型と 事後重症による障害年金型のどちらの場合でも、初診日要件と保険料納付要件は問われません。
 
原則的な障害年金型の場合は、初診日において20歳未満であった人が20歳に達した日(障害認定日が20歳に達した日以降である時は、障害認定日)において、障害等級に該当する障害状態にある時に支給されます。
 
事後重症による障害年金型の場合は、初診日において20歳未満であった人が20歳に達した日(障害認定日が20歳に達した日以降である時は、障害認定日)以降に、障害等級に該当する障害状態になった時に障害基礎年金を請求することができます。
 
✔ 併給の調整(併合認定)
「初めて2級」と呼ばれる基準障害による障害年金請求とは異なり、元々障害年金をもらっていた人に新たな障害年金を支給すべき事由が生じた場合は、前後の障害を併合した障害の程度による、新しい1つの障害年金を支給します。(新たな障害年金の受給権を取得した際は、従前の障害年金の受給権は消滅します)これを「併合認定」と言います。
 
蛇足ではありますが、この併合認定については色々と問題を孕んでおり、訴訟を起こすケースも出ています。それらの問題点については、またいつか日を改めて記事にしてみたいなと思っています。
 
 
本日の記事は以上です。
さぁ、いよいよ次回。障害年金のシリーズ記事最後となる、 5) 申請から受給までの流れ・手続き について説明をしていきます。そしてその記事が、18回に渡ってお伝えしてきた「突然大病を患ったら…」シリーズの最終記事にもなります。
 
乞うご期待!です。(あぁ。ここまで長かったです…。あと一歩、頑張ります!)
 
「突然大病を患ったら…」シリーズの他の記事について読まれる方は、こちらのリンク↓↓をご覧下さい。
 

それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
またブログでお会いできることを楽しみにしています♪
 
 
tomo
 
 
 
 
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