【閉会式感想】リオパラリンピック閉幕。感動と勇気をありがとう!さぁ、次はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック!(リオデジャネイロ2016パラリンピック情報☆その35)
こんにちは。障害者で社労士タマゴの、tomoです。
昨晩遅く日付が変わる頃、伊豆から無事戻ってきました。
台風接近に伴う大雨と、連休最終日のため激しい渋滞に巻き込まれましたが、友人夫婦と赤ちゃんを無事送り届け、自宅に戻ってきました。
リアルタイムで見れなかったのは残念でしたが、録画した閉会式の模様を本日見ることができました。
tomo の目から見た、閉会式の感想を記事にまとめてみたいなと思います。
閉会式では、オリンピックと同じように、パラリンピック旗を次の開催地に引き継ぐフラッグハンドオーバーセレモニーが行われました。小池百合子都知事が旗を受け取った後に続いて行われた、トーキョーショー(東京プレゼンテーション)の映像を、まずはご覧ください。
※ 閉会式で日本が担当したトーキョーショーの全編動画になります。注目の映像スタート位置は、1分27秒あたりからになります。(NHKさんの都合で tomoのブログ上では動画再生されないので、Youtube上で見るカタチになります)
トーキョーショーのプレゼンテーションを手がけたクリエイティブチーム、出演者や、プレゼンテーションのコンセプト等について、事前公開情報をまとめたこちらの記事も、ぜひご一緒にご覧くださいね。
ソフトバンクの犬のお父さんのCMなどで知られる佐々木宏さん、最新技術を駆使した表現で国際的な賞を次々受賞している菅野薫さん、Perfumeなどの海外公演を成功させたことで知られる演出・振付家のMIKIKOさん、音楽家の椎名林檎さんの4人が中心となって作り上げたトーキョーショー。
リオ五輪とも連動する、統一感のある音楽・映像・世界観でカッコよくまとまっていて、パラリンピックの映像を見た後にもう一度オリンピックの閉会式でのトーキョーショーの映像も見たくなる、そんなパラリンピックのトーキョーショーでした。
※ リオオリンピックの閉会式でのトーキョーショーの模様はこちらをご覧ください。
2つのトーキョーショーを通して観た tomo の感想は、「よりパラリンピックの方がエモーショナルに訴えかける内容だったな」というものでした。
初めは「正直、五輪の方がかっこいい!パラリンピックの方は期待したほどではなかったなぁ…」と思っていました。でも、2度3度繰り返し観ているうちに、パラリンピックのトーキョーショーの魅力がジワジワやってきました。
特に、目を閉じて耳だけで鑑賞した時に、パラリンピックの方がBGMがとても情感的で、聴いているだけで、ちょっと目元がうるっときました。
しょっぱなの「君が代」のアレンジも、とても現代的なのに心に染み入るような響きがありました。国によっては心を鼓舞する曲調の国歌も多いですが、日本の国歌って、心を高揚させる要素と、心を静かに凪の状態にさせる要素の相反するふたつの顔を持つ曲なんだなぁと、しみじみと感じました。
編曲を手がけた村田陽一さんによれば、五輪閉会式で使用した「望遠鏡の外の世界」のアレンジは、ジャズバンド「SOIL&”PIMP”SESSIONS」の演奏で新たに編曲、録音したもの。そして、パラリンピックでは椎名林檎さんのアルバム「逆輸入」に収録されたバージョン。
この「逆輸入」ヴァージョンの、より情感的な「望遠鏡の外の世界」と、その映像に合わせて挟まれるNHKのアナウンサーの解説を音声だけで聞いていると、なんだか急に胸がギューッと苦しくなりました。
tomo は、あんまり安易に「感動」という言葉を使いたくないと常々考えているのですが、この時ばかりは間違いなく「感動」という言葉が tomo の心情を表すのにぴったりだったように思います。
この部分のアナウンサーによる解説コメントを文字起こししましたので、残しておきますね。
実は、パラリンピックという名前が初めて使われたのは、1964年東京大会でした。日本で唯一の金メダルは、卓球の渡部藤男(わたなべ ふじお)さんと猪狩靖典(いがり やすのり)さん。外国人選手が、仕事を持ち、買い物に行き、お酒を楽しむ様子に衝撃を受けました。「彼らは、『普通』じゃないか!」(この時、横向きのビックリマークが起き上がり、「!」の形になります。)価値観が変わった二人。障害を持つことは、新たな可能性を開くこと。1回目のPOSITIVE SWITCHです。そして2回目。2020年のPOSITIVE SWITCHは、障害をより魅力的に変えようというスイッチです。
そのあとに続くのは、中学2年生の時に、骨肉腫(骨のがん)で右足を失った義足のモデル、GIMIKO(ぎみこ)さんのステージ。次に、ダンサーを目指していた矢先、交通事故で左足の膝より下を失った義足のダンサー、大前 光一(おおまえ こういち)さんによる目を奪われるダンスパフォーマンス。そして、最後に暗闇の中で対話するイベント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のファシリテーターを務めている、目の見えない檜山晃さんの頭の中にある東京の夜の姿が詩で表現されます。ダウン症の二人のヒップホップダンサーや、車椅子のダンスパフォーマンスグループも加わり、最後はピチカート・ファイブの「東京は夜の七時」の歌に乗せて、障害のある人もない人も互いに支え合う社会を表現します。
tomo の心が一番動いたのは、大前さんが切断した左足を生かしたパフォーマンスでした。NHKのテレビ放映では閉会式のライブ映像の後に、大前さんのダンスが作られるまでの練習風景メイキング映像の紹介があったのですが、それを見た後にもう一度閉会式のパフォーマンスを見ると、なおさらグッときます。
大前さんは、片足では非常に難易度の高いバク転をパフォーマンスの中に取り入れようと考えます。何度も失敗を繰り返しながら、本番では4回連続のバク転を見事表現してくれました。難しい技に取り組む大前さんが語った、「バク転を1回より2回つなげたい。最高のチャレンジをしたい。できるかできないかギリギリを狙う(パラリンピックの)選手。それと同じことをする。今の最高を見せる」という言葉は、まさに「自分の限界を決めるのは自分自身。障害が自分の限界を決めるのではない」ということを表現してくれています。
椎名林檎さんの「望遠鏡の外の世界」も、何度も音楽をリピートしちゃうくらいめちゃカッコよ
いいし、大前さんのダンスの背景に流れる音楽も最高にカッコイイと思いました。ベーシスト鳥越啓介さんが作曲した「原初の嘆き」という曲なのですが、ウッドベース1本で奏でられる、祈りのような静けさと、生命の躍動を感じさせる、とてもクールでスピリチュアルな曲です。
自己紹介にも書きましたが、tomo は大学時代にオーケストラでコントラバスをやっていまして、高校時代にもエレキベースをいじるなど、昔から根っからの低音好きです。やっぱりベースはえぇなぁ…と、大前さんのダンスと鳥越さんの曲のパフォーマンスを見ていて悦に入ってしまいました。
大前さんのパフォーマンスの前に会場に流れた、下記の紹介メッセージも、とてもいいなぁと思いました。
My short leg allowed me to create an one and only performance in the world.
短い脚が、世界で唯一無二のパフォーマンスを生み出してくれた。(tomo訳)
先日の記事で、tomo の POSITIVE SWITCH について書きましたが、tomo も障害者にならなかったら至らなかった境地、出会えなかった人々、生み出せなかったアイディアがあります。病気になった直後には、さすがにそうは思えなかったけれど、あれから1年9ヶ月を経て、間違いなく tomo は障害者になって良かったと思えています。もし病前のまま今も生きていたら、東京の人混みの中で、モンモンと迷いながら時間も自信も擦り減らしながら、消耗していたと思います。
障害を持ったから、制限のある人生を送るのではなく。
障害を持ったからこそ生み出せる、tomo ならではの価値を発揮する人生を、これから送っていきたいと思います。
今回のリオパラリンピックで旗手を務め、車いすテニス女子初の銅メダルを獲得した上地 結衣(かみじ ゆい)選手が、インタビュで語った言葉。「自分たちの活躍こそが、パラスポーツに影響してくると思うので、また4年後に向けて頑張りたい」
全くそれと同じで、「障害者として自分が人前に出て何かを表現することで、世の中の障害者の見方を変えていきたい」。
それが、tomo が今強く望む生き方です。
ナニを、ドンナ形で表現するかは、乞うご期待です!!
最後に、リオパラリンピック閉会式の「フラッグハンドオーバーセレモニー(トーキョーショー)」のスタッフクレジット・使用楽曲をメモとして記載しておきます。
✔︎ クリエーティブチーム
…ということで。
本記事をもちまして、2016年開催されたパラリンピックに関する記事シリーズも終了です。驚いたことに、合計35本の記事に到達しました!
35記事の主なものは、こちらにまとめてリンクを貼っています↓↓
ぜひ、総括として観ていただければ幸いです。
それでは、今日はここまで。
今日も大変長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
またブログでお会いできることを楽しみにしています♪
tomo
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